存在するものは壊れる
存在するものは壊れる。
壺も。皿も。鏡も。橋も。国も。理念も。言葉も。文法も。
無限を前にして壊れないものがどこにあるのか。
私たちが崇めている「人間」という理念も、いつか消える。
人間の滅亡と同時かもしれないし、その前かもしれないが、それは消える。
無限に広がる無限の中から
―むっちゃりむちゃりと頭をもたげ
ーーぐにゃりぐにゃりと形を整え
ーーーぎしりぎしりと身をこわばらせ
ーーーーがんがんがちりの存在が凝固する
ーーーそれがごろりと形を崩し
ーーふさりと砂になり
ー砂の底に落ちる
その無限を前に何を言わんとするのか。
私の立っているこの大地はどこだ。
預言者がわめいている。
滅亡が近いと。