魯迅に俺は嫉妬する ある世界主義者の絶望的諦観
政治のことを考えても仕方がないという気がしてきた。
民主主義が必要なんていうのは嘘だと思った。
だって誰も聞かないだろう?
世界のことなんてどうだっていいんだ。
それでも叫び続けろと君は言うだろう。
魯迅は言った。
眠れる自由を破っていいのか。
起きたらそこは扉のない監獄だ。
だが監獄を開け放つ希望こそが現実なのではないかと、彼は革命の思想を語った。
だが魯迅の場合は良かった。
民族が危機に瀕していたからだ。
魯迅の夢は世界にあった。
その世界を愛する民族が現れたのである。
つまり普遍には民族を通じて至るということである。
話がそれたが、魯迅の場合は、半植民地化された世界があった。
そしてその危機をなんとかしようと叫ぶ国民がいた。
そこには正義があったのである。
だが今は。
日本は。
中国は。
完全にその段階を越え、正義のない力争いになっている。